大人の矯正について
成人する前に矯正治療を受けるきっかけがなかった方や、特に必要を感じなかったという方は多数いらっしゃいます。その一方、成人してから対人関係などをきっかけとして矯正を検討している方も少なくありません。
「歯列矯正は子どもの時に行うもの」というイメージをお持ちの方も多いですが、何歳からでも歯並びを整えることは可能です。「仕事上、相手の印象を良くしたい」「自分に自信を持ちたい」「コンプレックスを解消したい」など、矯正治療はそれぞれの方のお悩みをクリアして、生活の質を高めることに役立ちます。
大人の矯正を
おすすめする理由
むし歯や歯ぐきの病気を防ぐ
歯並びが良くなれば食べ物が詰まりにくくなりますし、歯磨きしやすくなるので、むし歯や歯周病の予防がしやすくなります。
食べ物が噛みやすくなる
歯並びと噛み合わせを整えることで、食事の際に噛み切る動作やすりつぶす動作がしやすくなります。そのため栄養補給の効率が上がり、胃腸への負担も減らせます。
はっきりとした発音が行える
歯並びが整っていないと、歯間から空気が抜けることなどで発音をしにくくなります。そのため、矯正治療はコミュニケーション力アップに役立ちます。
心理的に良い影響を与える
歯並びの乱れをコンプレックスに感じている方は非常に多くいらっしゃいます。歯は会話するときにどうしても目が行く部位なので、歯並びを整えることは人と対面するときのプレッシャーを軽減し、自己肯定感アップにつながります。
矯正治療の種類
ワイヤーやブラケットを用いた矯正治療
(舌側ブラケット・リンガルブラケット)
当院では、金属色を感じさせない自然な色調の矯正装置やカラフルで楽しい矯正装置を揃え、さらに舌側矯正・リンガルブラケット矯正にも対応しています。「目立ちにくい矯正治療を受けたい」という患者様のご要望にお応えして、お口の状態やライフスタイルに合った治療方法をご提案していきます。
矯正装置の種類
- カスタムメイド型リンガルブラケット矯正装置(ハーモニー)
- セルフライゲーションブラケット装置(デーモンシステム)
メリットMerit
- 金属製のため薄くて丈夫であり、歯にかける力の調整がしやすい
- 多くの不正咬合の症例に対応することができる
デメリットDemerit
- 銀色のブラケットが目立ち、審美的に劣る
- 費用が高い
- 舌があたって違和感が最も多い
- 一回あたりの治療時間が長い
ワイヤーやブラケットが目立ちにくい白いブラケット治療
装置が見えにくい矯正治療だけではなく、ワイヤーやブラケットが目立ちにくい白いブラケットを使うことでより自然に治療を行うことも可能です。
歯の表側と裏側につける矯正治療でも、表側の装置が白のセラミック製であったり、白いワイヤーで作られている矯正装置を使った場合は、日常生活でそれほど目立つことはありません。
矯正装置の種類
- セラミックブラケット
- ポリカーボネートブラケット
メリットMerit
- 装置が透明なセラミックでできているため、目立ちにくい
- 非金属性のブラケットなので、金属アレルギーの方でも使用可能
デメリットDemerit
- 金属ブラケットと比較すると、多少強度が弱く壊れやすい
歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正(歯科)治療
歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正(歯科)治療は、歯ぐきに小さなねじを埋め込み、矯正治療の固定源として利用されます。一般的なワイヤー矯正は奥歯を固定源として行いますが、実際は奥歯が内側に引っ張られる作用が生じるので、奥歯を動かしたくない症例には向きません。そんな時に歯科矯正用アンカースクリューを使うと、望まない奥歯の移動を避けることができるメリットがあります。
歯ぐきにアンカースクリューを埋め込むことに抵抗を感じる方もいらっしゃるでしょうが、埋め込む際の痛みはほとんどありませんし、治療終了後は撤去しますので見た目の違和感が残ることはありません。
メリットMerit
- ヘッドギアなどの装置を使わなくて済む
- 今までできなかった動きができるようになる
デメリットDemerit
- 適切にケアしないと周りで炎症(腫れ)が起こる場合がある
インプラントと歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正の違い
インプラントとは、一般的に歯のなくなった個所にチタンなどでできた歯根を埋め込んで土台を作り、その上に人工の歯を乗せて自分の歯のように機能させる治療法です。この場合、インプラントは完全に歯の再現として用いられるわけですが、歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正は目的が異なります。歯に埋め込まれたピンは歯を引っ張るための支柱として機能します。そのため、一時的に顎の骨にピンを埋め込んでも、治療が終了した時点でそれらは除去されます。
料金案内
相談費用
相談料 | 初回相談料 ¥2,200(税込) 2回目以降 ¥1,500(税込) |
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※保険適用の患者様の場合は、保険適用料金となります。
矯正検査・診断費
基本検査・診断費 | ¥44,000(税込) |
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基本検査費
レントゲン・歯型・写影など、診断に必要な資料と唾液検査の費用です。(ただし、他院でCT・MRIなどの審査を行う場合は、別途費用が必要になります)
診断費
レントゲンなどによって、治療方針を決定するための費用です。
矯正治療施術料
治療内容 | 治療期間 | 治療回数 | 費用 |
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上下表(金属ブラケット)の場合 | 1~3年程度 | 10~40回 | ¥638,000(税込) |
上下表(セラミック)の場合 | 1~3年程度 | 10~40回 | ¥693,000(税込) |
上が裏、下が表の場合 | 1~3年程度 | 10~40回 | ¥990,000〜1,100,000(税込) |
上下とも裏側の場合 | 1~3年程度 | 10~40回 | ¥1,100,000(税込)〜 |
※一般的な成人の矯正を行う場合ですが、使用装置などによっても差異があります。
※なお、ワイヤーやブラケットが目立ちにくい白いブラケットを使う場合、装置の加算料が必要です。
※消費税は、10%時期で表示しているため、消費税率変更により変更することがあります。
動的調整料 | 上下表の場合:¥5,500(税込) 上が裏、下が表の場合:¥6,600(税込) 上下が裏の場合:¥7,700(税込) |
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保定観察料 | ¥3,300(税込)保定期における観察料です。 |
ワイヤーやブラケットが見えづらい矯正治療の調整料 | 上裏 ¥6,600(税込) 上下裏 ¥7,700(税込) |
矯正装置料
使用する矯正装置の費用です。
矯正技術料
矯正治療にかかる技術料です。
矯正管理料
歯みがき指導(1回のみ ¥2,200)・歯石除去・紹介状・矯正治療中のレントゲン・歯型・写影などの費用です。
※親知らず(智歯)の抜歯は除く
矯正歯科治療に伴う一般的なリスク・副作用
- 最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間1~2週間で慣れることが多いです。
- 歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
- 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者様の協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
- 治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
- 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。
- ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
- ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
- 治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
- 治療中に「顎関節で音が鳴る、顎が痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
- さまざまな問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
- 歯の形を修正したり、噛み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
- 矯正装置を誤飲する可能性があります。
- 装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、被せ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
- 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
- 装置が外れた後、現在の嚙み合わせに合った状態の被せ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。
- 顎の成長発育により、噛み合わせや歯並びが変化する可能性があります。
- 治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により、歯を支えている骨がやせると嚙み合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
- 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。